【寄稿】改正JAS法成立

(一社)食品品質プロフェッショナルズ 古川 哲也

「改正JAS法成立 民間の規格提案可能に 18年6月施行見通し」(みなと新聞 2017年6月20日付;http://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/70143)との発表がありました。

現在、鰹節業界でHACCPを取得しているのは削り節の会社が主であり、その原料となる荒節、本枯れ節を製造している会社でHACCPを取得している会社は殆ど存在しません。
QPFSでは既に鰹節2大産地、指宿の本枯れ節製造工場、焼津の荒節製造工場へ訪問し、鰹節HACCPのモデルケースを作り上げ、「食品と科学」、「アイソス」にて発表をしております。それらの鰹節HACCPは国内版であり、ベンゾピレンに関しては触れておりませんが、海外版はEU輸出を想定したものを計画しており、それには最終製品でベンゾピレンが基準以下である事を証明しなければなりません。ベンゾピレンを基準以下にする製造方法を採用すると本来の鰹節の味ではなくなり、その逆であると、ベンゾピレンの規制値を超えてしまい輸出ができず、どの様な鰹節HACCPの構築を進めたら良いものか、行き詰まっておりました。
ネットで公開されている記事によると、民間による規格設定が可能になる様ですので、鰹節の良さを海外にアピールできるチャンスかと思われます。削り節の摂取量や、出汁の取り方などの使用方法を新たにJAS化したりする事で、近い将来、輸出が加速していく事を望んでおります。
2018年施行まであと1年です。鰹節業界のHACCPの構築、取り組みは急務であり、鰹節HACCPが出来ていなければ、和食のHACCPも本当の意味で成り立ちません。QPFSも鰹節HACCP構築のために応援したいと思います。
工場訪問をした際、指宿鰹節会社の社長も、焼津鰹節会社の社長も、自分の会社で製造した鰹節には自信と誇りをもっています。EUがベンゾピレンを理由に受入拒否をするのであれば、自分たちの製造方法を変えてまでEUに輸出する必要はない。自分達の鰹節を評価してくれるところに出したいと話していた事が印象的でした。私も水産加工関連の会社におりましたので、その物作りに対する熱意、考え方には共感させられるものがありました。日本の職人、その様な気概は大切で無くしてはならないものです。

以上